最近、円安(127円/ドル)だしビットコインで積み立てを始めました。ビットコインってすごい仕組みだけど、問題点はないのかな?整理してわかりやすく教えてほしい。
上記の疑問にお答えします。
こんにちは、サトシです。
今回のもくじ
- ビットコインの問題点が理解できる
- 今後のビットコインの動向が分かる
記事の信頼性
本記事は、上記のソースに基づいています。引用しつつ、解説していきますので信頼性はあります。
ところで、円安の昨今、ビットコインで資産防衛もいいですが、ビットコインは完ぺきではありません。ビットコインの問題点を学習しつつ、資産防衛していきましょう。
本記事は、ビットコインの基礎知識があるとより理解がすすみます。ビットコインの基礎を学びたい方は「ビットコインの基礎知識についてわかりやすく解説【今からでも遅くはない】」からどうぞ。
それでは、よろしくお願いします。
ビットコインの問題点は4つあります
以下の通り。
- 処理時間が長い
- 変動幅が大きい
- 消費電力が大きい
- 方針が決まりにくい
上記の通りです。順に解説していきます。
処理時間が長い
ビットコイン送金や決済はかなり遅いです。
ビットコインの送金をした方は分かるかもしれませんが、送金には遅いときに10分から数時間かかります。 これってかなり不便です。
たとえば、タクシーを使って支払いにビットコインを使った場合、決済が終わるまでその場で待機してると、ユーザーもタクシー側も損失です。
というのも、ビットコインには以下の特徴があります。
- 10分毎にブロックチェーンへ書き込み
- ブロックサイズが小さい(1MB)
※ブロックはトランザクションを入れるボックスです。
上記の通り。
2022年現在は手数料が高く、遅いイメージのビットコインですが、問題が浮き彫りになったのは2017後半-2018年前半にビットコインは多くの人に受け入れられて、価格が高騰したときでした。
以下の通り。
当時は「億り人」といったワードも出てきたりしました。
多くの人がビットコインを売買しトランザクション数が膨れ上がった結果、トランザクションの行列待ちで処理されるまでに数時間、数日なんて事になってしまいました。
VISAは1秒に2万4千回件、ビットコイン1秒に6~7件
普段、クレジットカードを使っている方で、処理が遅いなって感じることはあまりないと思います。 たいだい、1~2秒程度ですよね。
クレジットカードで有名なVISAは1秒間に2万4千ほどのトランザクションをこなします。
一方で、ビットコインは以下の通りす。Liquid(仮想通貨取引所)の記事から引用します。
ビットコインが処理できる取引は毎秒6~7件のみ
Liquid
正直かなり遅いですよね。これが、「スケーラビリティ問題」です。
変動幅が大きい
上記は、アメリカのS&P500株式インデックスとビットコインの価格です。
そうです、ビットコインの価格は安定しません。 1日で-10%~+10%は軽く変動します。
売るビットコインが多ければ、価格は下がり、買うビットコインが多ければ価格は上がります。 しかも、ビットコインはトレードで使用されているので、大量売りや大量買いができるので、価格が安定しません。
当然、決済で使いモノにはなりません。
市場の不安をすぐに織り込む
たとえば、以下のようなネガティブニュース。
- トランプ前米大統領「ビットコインは詐欺のようだ」と発言
- 「ビットコインがハックされた」誤情報
- イーロン・マスク氏のツイートで、ビットコインは2000ドル近く下落
上記のニュースにより、さらにWebメディアはビットコインの下落を取り上げます。
以下の通り。
すると、ビットコインを保有している人は不安になりビットコインを売り現金かする流れです。
市場の不安をすぐに織り込み、価格が不安定といった感じです。
ビットコインは裏付け資産もなく、アルゴリズム型のコインなので株式に比べると不安が大きいのかと思います。
消費電力が大きい
ビットコインはマイニングによってトランザクションをブロックチェーンに書き込んでいます。
POW(=プルーブオブワーク)といいます。
POWは解説するとかなり長くなるので、別記事「ビットコインの安全性をわかりやすく解説【紙幣よりは安全ですよ】」にまとめています。まだの方はどうぞ。
POWはたくさんの業者(=マイナー)がたくさんのコンピューターを使い、競い合ってブロックチェーンへ書き込んでいます。 すると、ビットコインの取引がある限り、POWによって大量の電力を消費していて環境的に良くないよねという話です。
とはいえ、マイニング電力は再生可能エネルギーだから、環境に悪くないと言われたりもしますが、CO2排出し大量の電力を消費していることに変わりはありません。
実際に「ビットコインマイニング、世界のCO2発生量の0.08%を占める」ようです。
そうなると、環境団体が黙っていませんよね。
たとえば、「環境団体、米政府に仮想通貨マイニング業者への対策を要請」とかですね。
記事を要約すると、「米国のマイニング企業は再生可能エネルギーへの移行を妨げている、はよー何とかしろ」というものです。
上記の通り、POWを使った仮想通貨は消費電力が大きく、CO2排出するし環境に良くないよねという問題があります。
方針が決まりにくい
ビットコインには管理者や特定の組織が存在せず、非中央集権型です。
おかげで、国や企業からの支配や管理を受けずに資産を保有できるわけですが、一方でビットコインの発展のために何かを決めるにはとても不向きな形態なのです。
例えば、学校のクラスでテーマについてたくさんの意見が出たとき、先生や司会者がいないと意見が上手くまとまっていかないですよね。 それと同じことがビットコインにも存在していたのです。
つまり、意見や方針を決める時は中央集権型、リーダの存在が好ましいということです。
とはいえ、非中央集権型のビットコインだから人気がある、信頼されているという側面もあり、方針が決まりにくいのは仕方なしですね。
問題点の対策
仮想通貨のはじまりは、2008年10月にSatoshi Nakamotoの論文発表、2009年1月ビットコイン発行によって始まりましたが、世界に広がりたくさんの人がビットコインを使うようになって、ビットコインの問題を浮き彫りになりました。
そして、問題を解決しようとたくさんの仮想通貨(アルトコイン)が発行されてきました。
ここでは、ビットコインの問題点の対策と誕生したアルトコインを解説していきます。
さきに結論を書きます。
- 処理時間が長い→取引数を絞ったライトニングネットワーク
- 変動幅が大きい→法定通貨に連動したステーブルコイン
- 消費電力が大きい→承認プロセスを変更したリップル
- 方針が決まらない→中央集権型のステーブルコインとリップル
順に解説していきます。
処理時間が長い→取引数を絞ったライトニングネットワーク
多くなったトランザクションをすべてブロックチェーンに書き込んでいるわけですが、 長すぎる処理時間を解決するために、出てきたのが「ライトニングネットワーク」です。
ライトニング=雷なので、稲妻のように早いネットワークという意味ですね。
ライトニングネットワークの考え方は、2つあります。
- オフチェーン:「すべてブロックチェーンに書き込む必要ってあったけ?」「必要なトランザクションだけをブロックチェーンに書き込んで、後は別のネットワークで管理したらいいのでは?」という感じです。
- ペイメントチャンネル:複数のトランザクションをまとめ、最初と結果だけを1つのトランザクションにまとめちゃえという感じです。
上記の通り。
ライトニングネットワークを具体的に見ていきましょう
以下の手順で使われます。
- 店員:アリスとお客さんのボブ
- アリスとボブでペイメントチャネルを開設
- アリスは1000円、ボブは2000円をペイメントチャネルへ預ける
- ボブはお店で100円 × 5回の買い物をしました(合計500円)
- アリスはボブのポイントカードがたまったので200円バック
- アリスからボブ200円、ボブからアリス300円の支払い
- ペイメントチャネルを閉じ、お店を出る
- ③と⑥がブロックチェーンへ書き込まれる
上記の通り。
ビットコインの場合、ボブはお店で5回の買い物毎にブロックチェーンへ書き込まれます。しかし、ライトニングネットワークを使うと、トランザクション数を劇的に減らすことができます。
また、ライトニングネットワークの背後には「スマートコントラクト」が機能して動いています。ライトニングネットワークをもっと深く学びたい方は「Coincenter.」をご覧ください。
変動幅が大きい→法定通貨に連動したステーブルコイン
価格は、市場にゆだねられているのでビットコインでは解決できません。
しかし、すでに多く普及しているステーブルコインで解決です。
ステーブルコインであれば法定通貨の価値と連動しているので、決済には向いています。
以下の通り。
- 2021年3月:決済大手VISA、ステーブルコインUSDC用いた決済を導入へ
- 2021年7月:決済大手VISA、2021年上半期に10億ドル以上の仮想通貨取引を処理
少し情報が古いですが、すでに決済大手VISAではステーブルコインを使った決済が使えるようです。
消費電力が大きい→承認プロセスを変更したリップル
ビットコインがPOWが使われ消費電力が大きく問題になっていますが、今現在残念ながら、消費電力を小さくする試みはされていません。
大量に電力を使用しないクリーンな承認プロセスとして出てきたのが、次の通りです。
- POS:Proof of Stake(=プルーブ・オブ・ステーク):安全と速さを優先→Ethereum(=イーサリアム)
- POC:Proof of Consensus(=プルーブ・オブ・コンセンサス):速さと安さを優先→XRP(リップル)
先にtweetの左側の画像ご覧ください。
※PDFで見たい方はこちらからどうぞ。
You can power only 14 light bulbs by using #XRP in 220M transactions.
— XRP_Cro (@stedas) September 4, 2018
By using #BTC you can power 149 000 000 light bulbs
Which is more sustainable and more eco-friendly crypto then?
>> https://t.co/aBH1aD206V#XRPthestandard $XRP #Ripple @Ripple #cryptocurrency #ecofriendly pic.twitter.com/QGlKjAMTY3
小さくて申し訳ないですが、右側の画像をご覧ください。
内容はトランザクション2億2,000万件で使用できる電球、食器洗い機、車の走行距離の数です。
感覚的に分かりやすいのは電球の数で、画像を見てもらうと結果は明らかです。XRPが圧倒的です。
という事で、「POS」と「POC」を順に解説します。
安全と速さを優先したPOS
POSは、特定の通貨を一定量保有している人に承認してもらうプロセスです。
例えば、ビットコインに次ぐ人気の仮想通貨イーサリアムです。
イーサリアムはPOWなのでビットコインと同じように手数料の高騰に悩まされてきましたが、イーサリアム2.0(2021年夏予定)はPOWからPOSへ移行計画です。
例えば、イーサリアム2.0のPOSは、32ETHをステーキングしている人の中で128人をランダム(=分散)で抽選されます。 取引内容が128人に合意されれば、ブロックチェーンに書き込まれるといった形です。もちろん、報酬が支払われます。
正しい検証を行っていない人がいれば、ペナルティがあったりします。
※POSの内容を分かりやすくするため、ざっくり解説しています。
要するにPOSは、自分の資産を犠牲に多くの人で行うので、正しい方向へ向かうという本質的なルールです。
ペナルティを受けずに報酬をもらうためには、誰だって正しい検証をしますよね。
とはいえ、POCの消費電力の小ささには叶わないです。
速さと安さを優先したPOC
「難解なマイニングレースをせずに自前でサクッ検証すればいいんじゃん、そしたら消費電力も小さくてすむ」で出てきたのがXRP(リップル)です。※リップル誕生にはもう一つ中央集権型があり、後述します。
XRPは、国際送金向けに開発された通貨でかなり老舗の通貨です。
XRPの承認プロセスは、自前のサーバで事前に検証する人を決めていて、8割がOKとなればブライべートなブロックチェーンに書き込まれます。
すべて自前(プライベート)で用意し、とてもプロセスもシンプルなので、消費電力も小さいです。
とはいえ、プライベートすぎてXRPが有価証券ではないの?という疑いが2020年に米証券取引委員会(SEC)から訴えられました。
一部を引用します。
「リップル社は、一般的に登録報告書や、その後の定期的な報告書に記載されている財務および経営に関する情報を提供することなく、数年にわたって無登録有価証券の募集を行い、リップル(XRP)を販売することによって、少なくとも13億8000万ドルの資金を調達することができた。
coindeskjapan
要するに、有価証券とは株式・債券・手形・小切手などの事で、XRPが仮想通貨と言っているけど、有価証券と一緒じゃない?そうだとしたら、連邦証券法に違反しているという事で、上記のように訴えられました。
つまり、中央集権すぎたという感じです。通貨ではなく、株とか社債と一緒じゃんという事です。
ビットコインをPOWからPOSへ移行できないのか
結論は難しい。
環境団体からは、再三消費電力が大きいから何とかしろと言われいる一方で、反対意見があります。
CoinPost「米環境団体、ビットコインのPoS移行推奨キャンペーン開始」の記事から引用しつつ、一部を紹介します。
以下の通り。
マイニング企業だけではなく、数万人にものぼるノード運営者からも支持を得る必要があると分析。このため、PoWからPoSへの移行は「さまざまな理由から絶対に非現実的」だと考察した
CoinPost
ビットコインがPoWを選択した理由はスピードよりもセキュリティを重視した結果
CoinPost
PoWはビットコインの根本的な性質の一部
CoinPost
上記の通り。
ここまで多くの人に受け入れられたPOWという仕組みを含めたビットコインですが、簡単には変更はできないのが現状です。
「方針が決まりにくい」問題とも重なります。
方針が決まりにくい→中央集権型のステーブルコインとリップル
非中央集権型はビットコインとは切っても切り離せない性質です。
ビットコインが中央集権型になると、すでにビットコインでは無くなり、今のような人気がなかったかもしれません。 ビットコインに関して「方針が決まりにくい」問題は解決しようがないのです。
そこで中央集権型の別の仮想通貨なら、スムーズに方針が決まるんじゃないかって事で、出てきたのがステーブルコインとリップルでした。
ステーブルコインは特定の企業が発行・管理しています。運用も変更も企業が管理しています。
XRP(リップル)も上記で少し触れていますが、自前のサーバを使い、自前のプライベートブロックチェーンを使用しています。
完全にリップル社が管理・発行しているので、高速であり安価を実現しています。
という事で、今回は以上です。
仮想通貨、ビットコインが生まれてまだ10年ほどです。こうやって課題が浮き彫りになり、課題を解決するために人類は日々前に進んでいます。世の中の課題を解決できる手段として、僕は仮想通貨を信じています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ビットコインの基礎を学びたい方は「ビットコインの基礎知識についてわかりやすく解説【今からでも遅くはない】」からどうぞ。
参考文献のまとめです。
- 大塚雄介 | 最新 いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン
- Decrypt | What are Bitcoin’s limitations ?
- Decrypt | What is Lightning Network? Bitcoin's Scalability Solution
- CoinCenter | Lightning Network
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